22.10.17 アーティザンインタビュー~保多織ファッションデザイナー 西川潤さん編その1

―まずは、ブティックjuneを始めるまでのこと教えてください。

洋服作りには子どもの頃から興味がありました。サウンドオブミュージックなどの映画が好きで、そこに出てくる衣装に興味を持ちました。高校を出て洋服の販売の仕事をする中で、洋服の仕組みに興味を持つ自分に気づきました。

そこからは、仕事をしながら洋服を作り始めました。  半年ほど病気療養していた時、今がチャンスと服飾関係の本を大量に買い込んで制作に没頭する日々が始まりました。それが楽しくて、やはり服を作ることを仕事にしたいと思うようになりました。

―ブティックjuneをはじめたのはいつ頃ですか?

5年ほど前になります。それまではインターネットやハンドメイドマルシェに参加したりしていました。その中で自分の名前でやっていきたい思いは消えることはなく日々強くなっていくように感じました。

そこで、より一層勉強に励むようになり、自分のブランドを立ち上げたことで退路を断ち、これで行くという意気込みのようなもの覚悟が決まりました。

―服を作るうえで最も大切にしていること、ファッションデザイナーとしてのこだわりを教えてください。

まずは、着心地。そのための生地選びも大切にしています。それまではリネンやコットンで服作りをしていたのですが、肌荒れしやすい自分でも気持ちよく着られるというのは1つの基準でもありました。

そんな時、偶然、高松空港でお土産に売られていた「保多織」のストールを見つけて感触がとてもよかったので、後日生地を買って自分用の服を作ってみたんです。そうすると圧倒的に着心地が良く「これだ!」という確信が持てました。

形としてはクラッシックでシンプルな形が好きです。シルエットがきれいに見えることも大切にしています。

―西川さんが考える「保多織」という素材の魅力は?

保多織は、江戸時代から高松藩で織られた絹織物のことです。

多年を保つという意味の「保多織」は丈夫なことから長く着てもらえる素材です。しかも着心地は抜群です。生地としても扱いやすく伸縮性が低いのも特徴の1つです。

ワッフル状の見た目が特徴で、3回平織りで打ち込んだあとに4本目の糸を浮かせて織ることでできたわずかな凹凸がふわりと空気を含み「夏は涼しく爽やかに、冬は暖かく優しい肌ざわり」を実現してくれるんです。